流星と昴の日本神話
石の章

伊毘志都幣命

隕石と共に天降る女神。

 

隕石と共に天降る女神

伊毘志都幣(イヒシツベ)命(イヒツベ)は『出雲国風土記(いずものくにふどき)』に登場する神であり、島根県の飯石神社(いいしじんじゃ)(島根県雲南市三刀屋町多久和(うんなんしみとやちょうたくわ)1065)に(まつ)られている。

出雲国風土記(いずものくにふどき)飯石郡(いいしのこおり)飯石郷(いいしのさと)の条によれば、伊毘志都幣(イヒシツベ)命が天降ったことから、その地を伊鼻志と言い、神亀(じんき)三年(七二六年)に字を飯石に改めたという。

江戸時代に出雲の松江藩で編纂(へんさん)された地誌『雲陽誌(うんようし)』(一七一七年成立)の飯石郡(いいしぐん) 多久和(たくわ) 飯石社の条によれば、昔、飯を盛ったような形の石が()ちてきたため、その地を飯石と言い、伊毘志都幣(イヒシツベ)命が天からこの石と降り、鎮座したのだという。

天降る神、隕石と共に天降る神であることから、伊毘志都幣(イヒシツベ)命は流星(隕石)の神と考えられる。

また、「ベ」は女神の神名末尾のパターンなので女神と考えられる。

 

各文献における名前

・『出雲国風土記(いずものくにふどき)』……伊毘志都幣(イヒシツベ)

 

まとめ

・伊毘志都幣命(イヒツベ)……流星の神

・天降る神、隕石と共に天降る神であり、つまり流星(隕石)の神。