流星と昴の日本神話
石の章

五百箇磐石

別名、湯津石村(ゆついわむら)。「五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」の神。速星神社、星宮神社、星神社の祭神。

 

五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」の神

五百箇磐石(いおついわむら)(イオツイワムラ)は別名、湯津石村(ゆついわむら)とも言う。

序文で述べたように火の神・軻遇突智(カグツチ)の血が付くことで磐裂(イワサク)神、根裂(ネサク)神らを生み出した磐の群れであり、【速の章/熯速日神】で前述したように「五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」と考えられる。

 

速星神社、星宮神社、星神社の祭神

そして名前に星が付く次の神社では、この五百箇磐石(いおついわむら)を祭神として(まつ)っている。

 

・速星神社(富山県富山市婦中町速星(とやましふちゅうまちはやほし)231―10)

・星宮神社(京都府綾部市星原町土井ノ内(あやべしほしばらちょうどいのうち)1)

・星神社(兵庫県豊岡市竹野町川南谷(とよおかしたけのちょうかなんだに)86)

・星神社(愛媛県今治市大西町星浦(いまばりしおおにしちょうほしのうら)甲935―1)

 

名前に星が付く式内社は二社しかないが、五百箇磐石(いおついわむら)尊を(まつ)る富山県富山市婦中町速星(とやましふちゅうまちはやほし)の速星神社はそのうちの一社である。この「速星」とは速い星である流星の意と考えられる。

また、五百筒磐石(いおついわむら)神を(まつ)る愛媛県今治市大西町星浦(いまばりしおおにしちょうほしのうら)の星神社は、由緒によれば隕石を(まつ)っているという。

つまり五百箇磐石(いおついわむら)は「(すばる)」を意味するが、流星(隕石)の神としても(まつ)られており、【速の章/速秋津日命】で前述した「(すばる)と流星の神」と考えられる。

 

各文献における名前

・『古事記』……湯津石村(ゆついわむら)

・『日本書紀』……五百箇磐石(いおついわむら)

・『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』……湯津石村(ゆついわむら)

 

まとめ

・五百箇磐石(イオツイワムラ)……(すばる)と流星の神

・別名、湯津石村(ゆついわむら)

【速の章/熯速日神】で前述したように「五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」。

・速星神社、星宮神社、星神社で(まつ)られている。速星は速い星である流星の意。

五百筒磐石(いおついわむら)神を(まつ)る愛媛県今治市大西町星浦(いまばりしおおにしちょうほしのうら)の星神社は隕石を(まつ)っている。

・つまり五百箇磐石(いおついわむら)【速の章/速秋津日命】で前述した「(すばる)と流星の神」。

 

関連ページ

【石の章/磐筒男神、磐筒女神】……磐筒男(イワツツノオ)神は富山県富山市住吉(とやましすみよし)の速星神社で(まつ)られている。