伊岐志邇保命
三十二人の防衛の一柱で天降る神。神名に星を意味する「ホ」と「シ」が含まれている。
伊岐志邇保命(イキシニホ)は【火の章/伊岐志邇保命】で前述したように三十二人の防衛の一柱で天降る神である。
天降る神であるという点から、流星に由来する神である可能性がある。
神名解釈
この神名にも星を意味するものと考えられる「ホ」と「シ」が含まれている。
神名の伊岐志邇保命(イキシニホ)は「イクイシニホ」が序文で述べた母音の連続を避ける傾向により変化したものと考えられる。
「イク」は古語で「活き活きしている」(『時代別国語大辞典 上代編』三省堂、一九六七年)の意、「イシ」は本章冒頭で述べたように「星」を「石」に見立てたもの、「ニ」は「瓊」で「玉」を意味するので【玉の章】で前述したように「星」を「玉」に見立てたもの、「ホ」は【火の章】で前述したように「星」を「火」に見立てたものと考えられるので、「活き活きしている星の神」と解釈できる。
【玉の章/活玉命】で前述したように「活き活きしている星」とは、回転する天に固定されているように見える恒星とは異なって、自ら天を飛んでいるように見える流星のことと考えられる。
まとめ
・伊岐志邇保命(イキシニホ)……天降る神
・【火の章/伊岐志邇保命】で前述した天降る神。
・神名に星を意味する「ホ」と「シ」が含まれている。
関連ページ
・【玉の章/活玉命】……イクタマ=活き活きしている星=流星。