流星と昴の日本神話
櫛の章

補足 御串の森の意味

御串の森の「(くし)」も「流星」の意。御玉の森、月の森、御串の森は「日・月・星」の神を(まつ)る。

 

神を(まつ)る三つの森

愛媛県松山市福角町(まつやましふくずみちょう)正八幡(しょうはちまん)神社(愛媛県松山市福角町甲(まつやましふくずみちょうこう)649)の由緒沿革によれば、正八幡(しょうはちまん)神社が鎮座する像観山には、「御玉の森」「月の森」「御串の森」という三つの森がある。

 

〔由緒沿革〕(中略)此の山は往古盛能山と称したが正平の頃に像観山と改称、又、八幡山とも称したが、此の山に天照皇大神を祀りし御玉の森、月読命を祀りし月の森、瓊々杵尊、彦火火出見命(又は饒速日命を祀りしともいう。)を祀りし御串の森があり、この御串の森には毎年正月二日奉幣の儀がある。これら三つの森は神廟の聖地として、又、史蹟として崇敬される。(後略)

《出典》『愛媛県神社誌』(愛媛県神社庁、一九七四年、二九四頁)

 

由緒沿革にあるように「御串の森」には、【序文】で述べた流星の神・火瓊瓊杵(ホノニニギ)尊や、その子の彦火火出見(ヒコホホデミ)尊、または【速の章/饒速日命】で前述した流星の神・饒速日(ニギハヤヒ)命を(まつ)るともいう。

つまりこの「御串の森」の「(くし)」も、本章冒頭で述べたように「流星」を「櫛」(あるいは「(くし)」)に見立てたものと考えられる。

「御玉の森」には天照皇大神を、「月の森」には月読命を(まつ)るので、三つの森には「日・月・星」の神が(まつ)られているということになる。

 

まとめ

「御串の森」には、【序文】で述べた流星の神・火瓊瓊杵(ホノニニギ)尊や、その子の彦火火出見(ヒコホホデミ)尊、または【速の章/饒速日命】で前述した流星の神・饒速日(ニギハヤヒ)命を(まつ)るともいう。

つまりこの「御串の森」の「(くし)」も神名中の「クシ」と同じく「流星」の意。

「御玉の森」「月の森」「御串の森」には、つまり「日・月・星」の神が(まつ)られている。