流星と昴の日本神話
石の章

磐筒男神

磐筒女神

五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」から生まれた流星の神。星宮神社、速星神社の祭神。

 

五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」から生まれた流星の神

磐筒男(イワツツノオ)神(イワツツノオ)、磐筒女(イワツツノメ)神(イワツツノメ)も【速の章/熯速日神】で前述したように「五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」から生まれている。

【速の章/正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊】で前述したように「流星は(すばる)から来る」という考え方があったと思われるので、磐筒男(イワツツノオ)神、磐筒女(イワツツノメ)神も(すばる)から生まれた流星の神と考えられる。

 

星宮神社、速星神社の祭神

磐筒男(イワツツノオ)神、磐筒女(イワツツノメ)神は次の星宮神社で(まつ)られている。

 

・星宮神社(栃木県下野市下坪山(しもつけししもつぼやま)1458)

・星宮神社(栃木県真岡市大和田(もおかしおおわだ)398)……磐裂(イワサク)神、経津主(フツヌシ)神、猿田彦(サルタヒコ)命も(まつ)る。

・星宮神社(栃木県真岡市中(もおかしなか)890)

 

また、磐筒男(イワツツノオ)神は富山県富山市住吉(とやましすみよし)の速星神社(富山県富山市住吉(とやましすみよし)784)でも「五十筒男命」という表記で(まつ)られている(【石の章/五百箇磐石】で前述した五百箇磐石(いおついわむら)(まつ)られている速星神社とは別の神社)。「速星」は速い星である流星の意と考えられるので、この点からも流星の神であることが裏付けられる。

 

各文献における名前

・『古事記』……石筒之男(イワツツノオ)

・『日本書紀』……磐筒男(イワツツノオ)命、磐筒女(イワツツノメ)命、磐筒男(イワツツノオ)神、磐筒女(イワツツノメ)神、磐筒男(イワツツノオ)磐筒女(イワツツノメ)

・『先代旧事本紀(せんだいくじほんぎ)』……磐筒男(イワツツノオ)磐筒女(イワツツノメ)

 

神名解釈

神名の磐筒男(イワツツノオ)神(イワツツノオ)、磐筒女(イワツツノメ)神(イワツツノメ)を解釈すると、「イワ」は本章冒頭で述べたように「星」を「磐」に見立てたもの、「ツツ」は【櫛の章/補足 ユウツヅの意味】で前述したように助詞の「ツ」+神名末尾のパターン「チ」の変化した「ツ」、「オ」は男神の神名末尾のパターン、「メ」は女神の神名末尾のパターンと考えられるので、それぞれ「星の男神」「星の女神」と解釈できる。

 

まとめ

・磐筒男神(イワツツノオ)……(すばる)から生まれた流星の神

・磐筒女神(イワツツノメ)……(すばる)から生まれた流星の神

・「五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)」から生まれている。

・「流星は(すばる)から来る」ので、つまり流星の神。

・星宮神社、速星神社で(まつ)られている。速星は速い星である流星の意。

 

関連ページ

【速の章/熯速日神】……五百箇磐石(いおついわむら)湯津石村(ゆついわむら))=(すばる)

【櫛の章/補足 ユウツヅの意味】……神名中のツツはツチと同義。星の意ではない。

【石の章/五百箇磐石】……富山県富山市婦中町速星(とやましふちゅうまちはやほし)の速星神社で(まつ)られている。

【石の章/磐裂神】……磐筒男(イワツツノオ)神、磐筒女(イワツツノメ)神の父ともされる。

【石の章/斎主神】……経津主(フツヌシ)神の別名。磐筒男(イワツツノオ)神、磐筒女(イワツツノメ)神の子ともされる。